最近某頭部DEXのガバナンス提案が1.25億の賛成票と742の反対票で承認されました。数字だけを見ると、「コミュニティの絶対的な合意」を象徴しているように思えますが、投票チェーン上のデータを詳しく調べると、事情はそう単純ではありません。

要するに、この圧倒的な投票結果は問題の所在を正確に示しています——コミュニティは利益をもたらす可能性のある提案に対して無批判に支持を示し、長期的なエコシステムの健全性や技術的安全性といった「退屈な」事柄は全く重視していないのです。同時期にTrust Walletが拡張機能の脆弱性で700万ドルが盗まれましたが、どれだけの人がプロトコルの安全性に関心を持っているでしょうか？むしろ、「どれだけのコインを燃やせるか」「手数料の分配はどうするか」といった話題の方が国民的な議論を呼び起こしています。

さらに胸が締め付けられるのは、このいわゆる「民主的ガバナンス」がすでに歪んでしまっていることです。上位1%のアドレスがほぼ半分の投票権を握っており、残りの散在した投資家がいくら賛成票を投じてもただの引き立て役に過ぎません。大口投資家は足で投票し、小規模投資家は流れに従って投票します。これが何の合意と呼べるのでしょうか？

提案自体を見ると——コアは1億トークンの燃焼と手数料による買い戻しで、典型的なデフレモデルです。保有者の観点からは確かに利益がありますが、その前提はエコシステム自体が成長し続けていることです。もしプロトコルの利用量や取引量が実際に増加しなければ、燃焼は既存のコインをより集中させるだけです。今年のAIコンセプトコインの時価総額が530億ドル蒸発したように、いくら燃やしてもファンダメンタルズの穴は埋まりません。