取引を行う人なら誰もが耳にしたことがあり、繰り返し実践している言葉：小さな利益を得ることにこだわらず、大きな損失を避ける。

それはたった八文字に見えるが、実際にこれを徹底して実行できるトレーダーはごくわずかだ。

では、最も一般的なシナリオを見てみよう。2万の資金でエントリーし、市場が急速に2.1万まで上昇すると、あなたは喜びに満ち、迷わず利食いを決断し、5%の利益を確定させる。その瞬間は非常に気持ちが良く、口座には利益が表示される。しかし、振り返ると、市場は止まらず、さらに2.5万まで突き進む。計算してみると、あなたは5%の利益を得たが、50%の利益が指の間から滑り落ちていくのを見ている。その感覚は、どんなトレーダーも味わったことがある。

あなたは反省し、頭の中で何度も自分に言い聞かせる——次回は大きな相場をしっかり掴むと。

時間を遡り、再び2万でエントリー。市場は再び2.1万まで上昇するが、今回は歯を食いしばって動かずにいる。心の中で教訓を吸収し、自分の判断を信じる。結果はどうか？市場はあなたのシナリオ通りには動かない。相場は下向きに転じ、2万まで下落し、さらに1.95万まで割り込むこともある。あなたの損切り注文は約定し、やむなく退場を余儀なくされる。

さて、問題だ——利益確定すべきかどうか？

この問題は、多くのトレーダーを一生悩ませる。早く食事を済ませたいのか、大きなご馳走を待ちたいのか、その間を揺れ動き、心の動揺に何度も引き裂かれ、精神的な苦痛は損失よりもはるかに辛い。

何か良い方法はないだろうか？小さな相場で少し稼ぎ、大きな相場も逃さずキャッチできる方法は？

正直に言えば、それは偽命題だ。

市場はそんなチャンスを絶対に与えない。取引は選択問題のようなもので、二者択一しかない。頻繁に利益確定して大きなチャンスを逃すか、大きな相場を待ち続けて小さな変動に耐えるか。第三の道は存在しない。

私自身の選択は、少しの小さな利益を追うよりも、倍に膨らむ可能性のある相場に賭ける方を好む。ただし、この考え方も完璧に実行できているわけではなく、世界中の誰もが100%実行できているわけではない。

取引は「これかあれか」のスイッチ問題ではなく、「割合」の問題だ。

あなたが30%、50%、70%の範囲で実行できれば、その結果は全く異なる。長期的に見れば、その差は天と地ほどの差になる。私たちにできるのは、ただひたすら自分を鍛え続け、これらの原則を実行する割合を少しずつ高めていくことだけだ。

この観点から見ると、取引の本質は長期的な自己修行に他ならない。

短期のスイングでも長期保有でも、たった一つや二つの本当の大きな相場を掴めれば、それだけで年間の成績は大きく変わる。多くの人は実はここでつまずいている——常に小さな利益と大きな相場の間で試行錯誤を繰り返し、結局は甘い果実も味わえず、損失も避けられないまま終わる。