バークレイズ：FRBの12月利下げ、カギを握るのはパウエルの一票

FRBの12月の金利決定について、市場の注目は「利下げの有無」から「どうやって利下げを実現するか」へと移っています。バークレイズの最新解説によると、FRB内部に明確な意見の相違があるものの、議長パウエルが利下げを推進するキーパーソンになる可能性が高いとしています。

現在のFOMC投票メンバーの立場分布を見ると、内部では微妙なバランスが形成されています。バークレイズが各メンバーの最近の発言を分析したところ、パウエルの立場を除いた場合、FOMC内部では6名が金利据え置きを支持、5名が利下げを支持しており、12月の金利決定には大きな不確実性が存在しています。

意見の相違があるものの、バークレイズは、FRB議長であるパウエルの立場が最終的な金利決定で主導的な役割を果たすと考えています。これは、他の理事が公然と議長に反対するハードルが高いためです。つまり、パウエルが利下げを支持すれば、FOMCを最終的に利下げ決定へ導く力を持つ可能性が高いということです。

この見解は他のウォール街機関の予測と対照的であり、たとえばゴールドマン・サックスは12月の利下げの可能性を残しているものの、JPモルガンやモルガン・スタンレーはFRBが12月に利下げを実施するとは予想していません。

注目すべきは、決定には他の要素も影響していることです。理事のリサ・クックは投票結果に影響するキーパーソンとなる可能性があり、トランプ前大統領が彼女の解任を試みている政治的圧力に直面しており、彼女の投票姿勢にも不確定要素をもたらしています。

また、最近のFRB高官の発言にも内部の慎重なムードがうかがえます。シカゴ連銀総裁のオースタン・グールズビーは12月の追加利下げに「不安を感じている」とし、クリーブランド連銀総裁のベス・ハマックは明確に利下げ継続に反対しています。

注目すべきは、CME FedWatchツールの最新データによると、市場はFRBが12月の会合で25ベーシスポイント利下げを行う確率を、先週の32.8%から69.4%へと大幅に上昇させており、市場の利下げ期待が大きく高まっていることです。

総じて、FRBの12月会合はパウエルのリーダーシップと政治的手腕が試される場となります。もし彼が利下げを推進する決意を示せば、その影響力と権威が膠着状態を打破する可能性は十分にあります。逆にそうでなければ、12月の追加利下げは見送られるでしょう。

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