日本の長期国債利回りが急騰し、グローバル資産が連鎖的に打撃を受けている。

まず事実から話そう。過去数十年、多くの機関投資家が「円キャリー取引」を活用してきた。ゼロに近いコストで円を借り、ドルに換えて様々な資産を購入する——米国株、米国債、ビットコイン、イーサリアムなど全てがその恩恵を受けていた。この手法は長らく有効だった。

しかし今、ゲームのルールが変わった。日本の20年国債利回りは2.8%を突破し、40年債は3.7%に達した。これは1999年以来の最高水準だ。円を借りるコストが一気に上昇し、低金利レバレッジで積み上げられたポジションが耐えきれなくなっている。

暗号資産市場の反応は特に顕著だ。ビットコインは86,000ドルを割り込み、イーサリアムも2,800ドルを下回った。これは単なる調整ではなく、レバレッジによる連鎖的な崩壊だ。1ドルの売り圧力が10ドルの強制清算を引き起こし、プログラム取引が全体の暴落を加速させている。BNBのようなメジャーな流動性の高い銘柄ほど、現金化しやすいため最初に売り込まれている。

さらに、米連邦準備制度理事会（FRB）が突然タカ派に転じ、利下げ予想が後ろ倒しになり、市場のレバレッジ比率は実質90%という危険水準に達している。安い資金の時代は完全に終わった。

私の見解はシンプルだ。今は焦って底を拾うべきではない。これは流動性危機であり、単なる調整ではない。無謀なナンピンはリスクが高すぎる。まずは軽いポジションで様子を見て、円相場の動きを注視し、レバレッジの清算が本格的に終わるのを待つべきだ。

今回の洗い出しは非常に厳しいものになるだろうが、強気相場の根本的な論理は変わっていない。生き残った者だけが、次のチャンスをものにできる。