ENSOトークン：ルール・プロジェクト詳細

本日、Binanceは第52回HODLerエアドロッププロジェクト「ENSO」を正式に発表し、2024年10月14日09:00（UTC）から取引開始予定です。

今回のエアドロップでは、ENSOトークン175万枚（総供給量の1.75%）が配布され、さらに50万枚が上場後のマーケティング施策向けに割り当てられます。Binance Alphaプラットフォームでも同時にポイント制エアドロップ引き換えが実施され、早期参加者には2度の受益機会が提供されます。

BNB保有スナップショット期間（2024年10月7日〜9日）は既に終了し、HODLerエアドロップ対象者は確定済みですが、Binance Alphaポイント引き換えチャンネルは引き続き開放されています。従来型エアドロップと異なり、ENSOはコミュニティ優先型設計となっています。

パブリックセール購入者はToken Generation Event（TGE）で100%トークンが即時解除され、VCやチームは1年のクリフ（猶予）期間後、2年にわたり線形ベスティングされます。理論上、個人投資家がVCよりも優先される設計です。

過去のENSOパブリックセール価格はCoinListで1トークンあたり$1.25、完全希薄化後評価額（FDV）は$125,000,000です。

プロジェクト未把握の方は、以下に主なポイントをまとめます。

エアドロップメカニズム詳細

• HODLerエアドロップ確定

対象条件：スナップショット期間（2024年10月7日〜9日）中に、以下プロダクトへBNBを預け入れることが必要です：

• Simple Earn（柔軟型・定期型）
• オンチェーンイールド（利回り）型プロダクト（ステーキング等）
• KYC認証完了および対応地域での居住が必要

配布ロジック：Binanceはスナップショット期間中の平均日次BNB残高に応じて、ENSOトークン175万枚を比例配布します。最小保有要件はなく、保有量が多いほど配分も増加します。

• Binance Alphaエアドロップ（現在も受付中）

ENSOは今週のBinance Alpha新規トークン上位5件の1つで、CLO、RECALL、WBAI、LABと並んでいます。ユーザーはAlphaポイントでENSOエアドロップ枠を引き換えられ、詳細ルールはイベント開始時に公開されます。

参加手順：

• BinanceのKYC認証を完了
• Alphaプラットフォームでポイント獲得（取引、紹介等。過去イベントでは約195ポイントが必要）
• 2024年10月14日以降、Alpha Eventsページでポイントを用いてENSOを引き換え
• 先着順、枠がなくなり次第終了（過去の受付期間は平均5時間程度）

プロジェクト概要

ENSOが解決する課題

現在のブロックチェーンエコシステムは極めて断片化されており、1,000以上のチェーンと4,100万超のスマートコントラクトが存在、それぞれ独自の基準や呼び出し方式があります。開発者はDAppやチェーンごとに統合に要するコスト・工数が増加し、Web3の普及を大きく阻害しています。

ENSOは、すべてのブロックチェーンを統一API/SDKインターフェースに抽象化し、2つのコア概念による「ワンクリックでのクロスチェーン操作」を実現します。

• Actions（モジュラー型インタラクション）：スマートコントラクトの各機能を「Action」として標準化（例：Aave入金、Uniswapスワップ）
• Shortcuts（ワークフロー組み合わせ）：ブロックを組み合わせるように複数のActionを組み合わせ、複雑なクロスチェーン操作を実現（例：「任意チェーンから資産引き出し→チェーン間ブリッジ→ターゲットチェーンのレンディングプロトコルへ入金」）

これはiOSがアプリ開発インターフェースを統一した仕組みに似ており、ENSOがブロックチェーン間のインタラクションを標準化します。開発者は意図のみを記述すれば、ENSOネットワークが最適なワークフローを自動で計画・実行し、基盤チェーンの詳細を理解する必要はありません。

実際のユースケース：

• Berachainメインネットローンチ：パブリックデータによると、2025年2月にBerachainはENSO経由で$3,100,000,000の取引高を達成、事前構築済みShortcuts84件を活用し、最も成功したL1ローンチの1つとなりました。
• Ether.fiクロスチェーンボールト：ユーザーはEthereum、Arbitrum、Baseなど任意チェーンからワンクリックで入金可能。ENSOがブリッジ・スワップ・入金プロセスを自動化し、ユーザーはネットワーク切り替えや複数署名の必要がありません。
• Uniswap LP移行：The Blockによると、ENSOはLayerZeroと提携し、Uniswap V4へのUnichain移行を支援。ユーザーはUniswap V2/V3 LP流動性引き出し、クロスチェーンブリッジ、V4 LPへの再投入を一括トランザクションで完了できます。

下記はENSOプロトコルの最新提携一覧です。

トークノミクス

供給構造と解除メカニズム

総発行量：ジェネシス時点1億枚、最大供給量は1億2,730万枚。初年度年率インフレ率は8%、10年後には0.35%まで低減します。

初期流通供給量：2,059万枚（20.59%）、内訳：

• CoinListパブリックセール：400万枚（100%解除）
• Binance HODLerエアドロップ：175万枚（100%解除）
• ENSOトークン50万枚（スポット上場後の市場活動向け、100%解除）
• エコシステム割当：約1,434万枚リリース予定

公開情報では、CoinListで$1.25で購入したパブリックセール参加者はTGEで100%取引可能、VCやチームは1年後に2年かけて段階的に解除開始となります。

このため、理論上は2026年10月までVC・チーム・アドバイザー分56.8%がロックされており、売り圧は主に流通供給分から生じます。

評価額指標：

資金調達とチーム

VCラインナップと資金調達履歴

公開済み調達総額は$14,200,000（3ラウンド）です。

• 2021年戦略ラウンド（$5,000,000）：Spartan Group主導、Polychain Capital、Multicoin Capital、The LAO、P2P Capital、Zoraが参加。コアエンジン開発資金。
• 2024年非公開ラウンド（$4,200,000）：IDEO CoLab VenturesとHypersphere Ventures主導、Intent集中化の拡張を目的。
• 2025年CoinListパブリックセール（$5,000,000）：コミュニティラウンド、トークン4%が$1.25で販売。

エンジェル投資家（70名以上）には、Naval Ravikant（AngelList創業者）をはじめ、LayerZero、Safe、1inch、Yearn、Flashbots、Dune、Pendleなど主要プロジェクトのキーメンバーが名を連ねます。

チーム：Ethereumファンダメンタリスト

Connor Howe（創業者兼CEO）は、2012年より初期Bitcoin開発者として活動し、2016年にはEthereum創設チームに参加。Sygnum（スイス初の暗号資産銀行）でステーブルコインやマルチシグ、トークン化などを担当しました。

コア技術陣はMilos Costantini（Solidityコア開発）、Peter Phillips（バックエンドアーキテクチャ）、Lindy Han（ビジネス開発）です。

Ethereum由来の技術力とトラディショナル金融コンプライアンス経験を融合し、ENSOは技術革新・機関導入の両面で強いポジションを築いています。

特にConnorの暗号資産カストディノウハウは、Ether.fiやInfinexなど機関型プロジェクトがENSOを基盤レイヤーに選んだ理由となっています。

参加時の留意事項

参加者への提案：既にBNBを保有しスナップショットに参加した場合、エアドロップ受領分の一部を保有しプロジェクト進捗を観察するのが推奨されます。Alpha経由の場合、上場時購入はリスクが高く、エアドロップ後の売り圧を待ってからのエントリーが考えられます。

チェーン抽象化やクロスチェーンテーマは目新しさも市場トレンドもありませんが、同分野に強気であればENSOを抽象化セクターの分散ポートフォリオ要素として組み込むのが考えられます。

新規上場は非常に高いボラティリティを伴うため、BinanceのSeed（シード）ラベルは機会とリスクの両方を示します。リスク管理を徹底し、余剰資金のみで投資してください。

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